THESIS TITLE
『Evaluation of a method for removing cesium and reducing the volume of leaf litter from broad-leaved trees contaminated by the Fukushima Daiichi nuclear accident during the Great East Japan Earthquake.』
BRIEF
- 本論文は「東日本大震災時に福島第一原子力発電所事故により汚染された広葉樹林の落葉リターのセシウム除去と容量低減技術」に関する論文です。
- 著者らは「宮城県南部の丸森町は福島県との県境に位置し、福島第一原子力発電所事故による森林地帯のセシウム沈着が懸念されている」と背景を説明されて、
- 「著者の一人は継続的に森林地帯の落葉リターを調査している」として、
- 「落葉リターは森林から下流地域へのセシウム汚染源となり得るとして、著者の一人により過去に提案されている落葉リター重量と放射性核種を非放射性核種から分離し落葉リター中のセシウム濃度を低減させる湿式酸化の簡易版を検討」されています。
- 研究デザインとして、
- 「著者らは3つの試験で検証」、
- 「実験1は政府の除染作業対象となる1時間あたり0.23マイクロシーベルトの基準値より高い空間線量の地域近傍の森林端の小川の表層から採取した新しい落葉リター(1kgあたり232ベクレル)を対象」、
- 「実験2は実験1の小川近傍の牧草地で収穫した古い落葉リター(1kgあたり705ベクレル)に湿式酸化を適用」、
- 「実験3では純粋を利用したセシウム放出試験として同じ落葉リターを利用」、
- 「実験1と実験2では落葉リターを次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理し、次亜塩素酸ナトリウム濃度および反応温度を最適化」とし、
- その結果、
- 「落葉リター重量は50から60パーセント低減しセシウム濃度は60パーセント減少」、
- 「加えてセシウムのウォシュアウト量を計測」、
- 「実験1のセシウム収支からセシウムのガス化は見られず、高次亜塩素酸ナトリウム濃度および高温と落葉リター容量減少及びセシウム除去との高い正の相関が確認された」、
- 「実験2では異なるセシウム濃度および異なる条件で収穫された葉での前記結果の再現性が確認された」、
- 「落葉リター重量およびセシウム濃度の低減の背後にあるメカニズムも解明」、
- 「実験3は水面に存在する物質の影響および水溶性セシウムの寄与の調査を補助する」、
- 「落葉リターの化学成分の変化についての実験により、著者らの修正湿式酸化の酸不溶性リグニン除去への効果を確認」、
- 「リグニン、難溶性成分の除去により、提案した簡易湿式酸化実施後の残渣のより良い利用が可能となる」、
- 「それ故実際の廃棄分は残渣自体よりも小さくなる」等を報告されて、
- 「残渣中で確認される低セシウム濃度を考慮すると、本論文中で提案した方法はセシウムを含有する落葉に起因するリスクの緩和に寄与できると期待できる」と結ばれています。
AUTHOR(S)
Harada S, Yanagisawa M.