THESIS TITLE
『Temporal variation of post-accident atmospheric 137Cs in an evacuated area of Fukushima Prefecture: Size-dependent behaviors of 137Cs-bearing particles.』
BRIEF
- 本論文は「福島県の避難区域における災害後大気中セシウム137の経時的変化-セシウム137を含む粒子のサイズ依存動態-」に関する論文です。
- 著者らは「2012年10月から2014年12月にかけ福島第一原子力発電所事故後の避難区域で粒子状物質を粗粒子と微粒子に分画(直径1.1マイクロメートルで分画)した大気中セシウム137濃度」を調査されています。
1.その結果、
- 「大気中総セシウム137濃度には明確な季節変動があり、夏と秋は高汚染地域からの東風に関連して高濃度を示した」、
- 「この季節的ピークは粗粒子中のセシウム137が卓越している」、
- 「粗粒子中のセシウム137比放射能(質量当りのセシウム137濃度)は夏に有意な上昇を示し、一方微粒子中のそれは一年を通して変化を示さない」、
- 「再懸濁プロセス中でのセシウム137を含む粗粒子と微粒子の異なる動態をそれら結果は示唆している」、
- 「大気中セシウム137濃度の季節変動と風向頻度で重み付けした観察地点周辺の平均セシウム137表面汚染(堆積密度)との相関が確認されたことは、観察地点の大気中セシウム137濃度はセシウム137表面汚染分布と様々な風向密度とにより説明できることを示唆している」、
- 「伝統的な再懸濁因子よりも再懸濁強度をより良く評価する風向で調整した再懸濁因子-大気中セシウム137濃度の重み付け平均セシウム137表面汚染に対する比率-を導入する」、
- 「その比率は5.7×10^-11/mから8.6×10^-10/mの幅となり、調査期間中の段階的な減衰を示した」等を報告されています。
AUTHOR(S)
Ochiai S, Hasegawa H, Kakiuchi H, Akata N, Ueda S, Tokonami S, Hisamatsu S.