THESIS TITLE
『Increases in perinatal mortality in prefectures contaminated by the Fukushima nuclear power plant accident in Japan: A spatially stratified longitudinal study.』
BRIEF
- 本論文は「福島第一原子力発電所事故により汚染された地域での周産期死亡率上昇」に関する論文です。
- 著者らは「チェルノブイリ原子力事故後、長期的なヨーロッパでの周産期死亡率上昇を記述的観察研究の結果は示している」と背景を説明されて、
- 「福島第一原子力発電所事故後、同様の現象が日本で生じているか否かとの疑問が生じる」、「2001年から2014年の47都道府県の出生数は1520万で、胎児または妊娠22週目後から出生後7日の新生児の周産期死亡ケースとして69,171件を日本政府は月次統計で報告している」とし、
- 「長期的データの変化を捉えるため変化点検出方法により、地震、津波や推定放射線被曝に関連すると推測される福島第一原子力発電所事故後の周産期死亡率の潜在的上昇を推定、検証するため被爆により層化した日本の都道府県での周産期死亡率の経時的傾向を分析」されています。
- 「重度汚染地域と地震と津波の影響を受けなかった地域の対比として中程度から重度の放射線曝露地域と低曝露および影響を受けていない地域を比較」した結果、
- 「地震、津波そしてそれに続く原子力事故から10ヶ月後、重度に汚染された6県の周産期死亡率は2012年1月以降上昇し、上昇のオッズ比は1.156、95%信頼区間は1.061-1.259、P値は0.0009」、
- 「中程度汚染を受けた地域では若干の上昇であり、その他の日本の地域で上昇は確認されなかった」、
- 「重度汚染地域では福島第一原子力発電所事故から10ヶ月後の周産期死亡率上昇は地震と津波に起因する死亡および行方不明者数とは基本的に独立」、
- 「放射性物質で汚染された地域の周産期死亡率は原子力事故の10ヶ月後から上昇し始めた」、
- 「それら得られた結果はチェルノブイリ原子力事故後のヨーロッパで確認された結果と矛盾がない」等を報告されて、
- 「今回示した観察研究の結果は示唆はするが未知そしてコントロールされていない因子や交絡因子のため因果関係は証明することは出来ない。集団レベルでの有害な遺伝的影響と自然および人工放射能との関連をより良く定性化、定量化するために様々な科学的専門分野による集中的調査が緊急に必要である」と結ばれています。
AUTHOR(S)
Scherb HH, Mori K, Hayashi K.