THESIS TITLE
『Contaminated marine sediments as a source of cesium radioisotopes for benthic fauna near Fukushima.』
BRIEF
- 本論文は「福島近傍の底生動物相へのセシウム同位体のソースとしての汚染海洋堆積物」に関する論文です。
- 著者らは「福島近傍の海洋動物、海水そして堆積物は2011年3月の福島第一原子力発電所事故で放出されたセシウム134とセシウム137により汚染された」、「幾つかの底生動物相の放射性セシウム濃度は同じ地域の漂泳性動物よりもより緩慢に減衰している」と背景を説明されて、
- 「堆積物中の放射性セシウムの生物学的利用能に起因して、底生魚の汚染はより残留するとの仮説」を検証されています。
- その結果、
- 「研究室での実験の結果、福島の堆積物を摂取した多毛類のセシウム137同化効率は16%、多毛類を摂取したカニでは最大54.5%そして蠕虫を摂取した魚ではおよそ80%」、
- 「加えてすべての動物は水相から直接セシウムを摂取しているが、それはそれら動物の総体内負荷量の1.2-2.5%のみ」、
- 「それ故それら動物のセシウム総体内負荷量のほぼ全ては採餌が占めている」、
- 「水相からセシウムを摂取した後の動物組織からのセシウム損失の速度定数は多毛類で20%/日、カニで10%/日そしての魚では6%/日、一方採餌によるセシウム摂取後の速度定数は多毛類、カニそして魚でそれぞれ45%/日、14%/日そして5%/日」、
- 「堆積物からのセシウム移行係数そして蠕虫から捕食者への栄養移行係数はおよそ1であることを生物蓄積モデルは示唆している」、
- 「一般的に堆積物結合セシウムは堆積物摂取多毛類にとって充分に生物学的に利用可能であり、そして大型動物相の多毛類からのセシウム同化は体内負荷量の90%以上を占める」等を報告されて、
- 「この事は福島近傍の底生魚の長期残留セシウムを説明する一助となる」と結ばれています。
AUTHOR(S)
Wang C, Fisher NS.