2017年2月15日水曜日

学術論文の紹介 #福島第一原子力発電所 #プルトニウム #太平洋

THESIS TITLE

『Plutonium Isotopes (239-241Pu) Dissolved in Pacific Ocean Waters Detected by Accelerator Mass Spectrometry: No Effects of the Fukushima Accident Observed.』

BRIEF

  1. 本論文は「加速器質量分析(AMS)による太平洋海水中の溶存態プルトニウム同位体検出」に関する論文です。
  2. 著者らは「2012年後半に採集した太平洋海水サンプル中のプルトニウム濃度とプルトニウム240/プルトニウム239同位体比及びプルトニウム241/プルトニウム239同位体比をAMSにより分析」されています。
  3. 研究デザインとして、
    1. 「プルトニウム同位体比は様々な汚染源の重要な指標であり、福島第一原子力発電所事故による海洋へのプルトニウム放出の可能性特定に利用」、
    2. 「特にプルトニウム241は核実験放射性降下物のプルトニウム241が既に殆どが崩壊しているためプルトニウムの直近の流入を示す最適な指標」、
    3. 「計10の海水サンプルをRadiochemie München of the TUMで準備し、Vienna Environmental Research Laboratoryで分析」され、
  4. その結果、
    1. 「幾つかのサンプルはプルトニウム240/プルトニウム239同位体比が最大0.22 ± 0.02と核実験放射性降下物のプルトニウム240/プルトニウム239同位体比(=0.180 ± 0.007)と比較して若干の上昇を示したが、計測した全てのプルトニウム241/プルトニウム239同位体比では核実験放射性降下物(プルトニウム241/プルトニウム239同位体比 < 2.4 × 10^-3)との矛盾は見られず、福島第一原子力発電所事故の影響が確認されないことを示唆している」、
    2. 「福島第一原子力発電所から39.6キロメートルに位置するサンプルステーションでのプルトニウム241/プルトニウム239同位体比の平均から、海水中のプルトニウム239インベントリへの福島第一原子力発電所事故の寄与の1σ上限値は0.2%と推定される」、
    3. 「兵器級プルトニウムの痕跡が米国西沿岸770キロメートル周辺で採集した1つのサンプルから確認された」等を報告されています。

AUTHOR(S)

Hain K, Faestermann T, Fimiani L, Golser R, Gómez-Guzmán JM, Korschinek G, Kortmann F, Lierse von Gostomski C, Ludwig P, Steier P, Tazoe H, Yamada M.

THESIS URL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28110524