2016年11月2日水曜日

学術論文の紹介 #福島第一原子力発電所 #保健師

THESIS TITLE

『Radiation-related anxiety among public health nurses in the Fukushima Prefecture after the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station: a cross-sectional study.』

BRIEF

  1. 本論文は「福島第一原子力発電所事故後の福島県の保健師における放射能に関連する不安」に関する論文です。
  2. 著者らは「日本では特に災害後において保健師は地元住民の健康管理について重要な役割を担っている」と背景を説明されて、
  3. 「福島第一原子力発電所事故後における福島県の保健師の放射線への不安とストレス処理能力」について調査されています。
  4. 研究デザインとして、
    1. 「2015年7月に430人の保健師への質問票調査を郵便により実施」、
    2. 「質問は人口動態要因(性別、年齢、雇用形態)、放射線に関する知識、福島第一原子力発電所事故時そして現在の放射線に対する不安の程度からなり、放射線に関する質問と13項目版SOCスケールに回答するよう依頼」、
    3. 「放射線に関する質問への回答により不安の高低レベルを分類し、不安ネガティブグループと不安ポジティブグループを比較」され、
  5. その結果、
    1. 「保健師のうち62.6%に当たる269人が不安ネガティブグループに、37.4%に当たる161人が不安ポジティブグループに分類された」、
    2. 「多変量ロジスティック回帰分析の結果、原子力事故時に保健師(オッズ比は2.37,p=0.007)、放射線に対する現在の一般的な不安(オッズ比は3.56,p<0.001)、放射線に関する知識を得るための資料の現在の所有(オッズ比は2.11,p=0.006)、チェルノブイリ原子力事故後の小児甲状腺がん増加の知識(オッズ比は1.69,p=0.035)は福島第一原子力発電所事故後の不安とに有意な関連が見られた」、
    3. 「13項目版SOCスケールの平均は43.0±7.7で不安ネガティブグループと不安ポジティブグループとの間に有意差は見られなかった」等を報告されて、
  6. 結論として、
    1. 「福島第一原子力発電所事故から4年を経て、福島県の保健師における放射線に関する資料や知識と放射線に関する不安との関連を今回の結果は示唆している」、
    2. 「放射線に関する知識と教材を得ることは保健師にとって重要であり、原子力施設を有する地域においては保健師のための放射線教育プログラムが確立されなければならない」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Yoshida K, Orita M, Goto A, Kumagai A, Yasui K, Ohtsuru A, Hayashida N, Kudo T, Yamashita S, Takamura N.

THESIS URL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27798037