2016年10月3日月曜日

学術論文の紹介 #福島第一原子力発電所 #屋外活動制限 #肥満 #BMI

THESIS TITLE

『School restrictions on outdoor activities and weight status in adolescent children after Japan’s 2011 Fukushima Nuclear Power Plant disaster: a mid-term to long-term retrospective analysis.』

BRIEF

  1. 本論文は「2011年福島第一原子力発電所事故後の学校での屋外活動制限と思春期の子供達の体重状態」に関する論文です。
  2. 著者らは「2011年福島第一原子力発電所事故に起因する放射線への恐れは地元の子供達の身体的活動レベルに影響を及ぼした」と背景を説明されて、
  3. 「災害前後の子供達の体重状態を比較し、放射線被曝リスク低減を目的とした学校での屋外活動制限の子供の体重に対する影響を評価」されています。
  4. 「災害前2010年と災害後2012年および2015年について、福島第一原子力発電所から35-50キロメートルに位置する相馬市の5つの中学校のうち4校の13-15歳の子供達(n=1030、相馬市の中学生総数の99.1%)が被験者」、「ボディ・マス・インデックス(BMI)、肥満度(POW)そして肥満と低体重の発症率(それぞれの定義はPOWが≥20%とPOWが≤-20%)を調査し、回帰モデルにより災害前と災害後を比較」、「体重状態に対する学校での屋外活動制限の影響を評価するモデルを構築」され、
  5. その結果、
    1. 「共変量で調整後、2012年時の女児に平均BMIとPOWの若干の減少が確認された(BMIが-0.37、95%信頼区間は-0.68から-0.06、POWは-1.97、95%信頼区間は-3.57から-0.36)」、
    2. 「男児について2012年時に肥満発症率の上昇が確認された(肥満のオッズ比は1.45、95%信頼区間は1.02から2.08)」、
    3. 「災害前の体重状態と比較すると男女とも2015年時に有意な体重変化は確認されなかった」、
    4. 「学校での屋外活動制限と体重状態との間に有意な相関は見られなかった」、
    5. 「災害後4年を経て体重状態は男女とも災害前のレベルに回復しているが、女児の間の若干の体重減少と男児の間の肥満リスクの若干の上昇が災害から1年後に確認された」等を報告されて、
  6. 「得られた知見は思春期の子供達の災害後健康リスクを管理するために放射線災害の初期段階で取られる行動の指針になると考えられる」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Nomura S, Blangiardo M, Tsubokura M, Ochi S, Hodgson S.

THESIS URL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27683520