2016年10月17日月曜日

学術論文の紹介 #メンタルヘルス #精神的苦痛 #社会関係資本 #東日本大震災

THESIS TITLE

『Impact of social capital on psychological distress and interaction with house destruction and displacement after the Great East Japan Earthquake of 2011.』

BRIEF

  1. 本論文は「2011年東日本大震災後における精神的苦痛と家屋損傷および移住との交互作用への社会関係資本(social capital)の影響」に関する論文です。
  2. 著者らは「社会関係資本は災害後の状況において精神的苦痛の様なメンタルヘルス転帰に影響する重要な因子であると考えられている」、「災害関連の家屋状況と移住は社会関係資本と精神的苦痛双方にに影響する可能性があるが、交互作用についての先行研究は少ない」と背景を説明されて、
  3. 「東日本大震災後の災害関連家屋状況との交互作用を考慮に入れた社会関係資本と精神的苦痛の関連を調査」されています。
  4. 方法として、
    1. 「宮城県七ヶ浜町に住まわれている成人3,793人のデータを利用して、一般的信頼により測定した社会関係資本とK6スケールにより測定した精神的苦痛との関連を調査」、
    2. 「家屋損傷と移住の交互作用を層別分析により調査」、
    3. 「交互作用を考慮した多変量解析を実施」とし、
  5. その結果、
    1. 「粗解析の結果、低社会関係資本と重度家屋損傷は精神的苦痛との有意な相関が確認された(低社会関係資本はオッズ比4.46、95%信頼区間は3.27-6.07、重度家屋損傷ではオッズ比1.96、95%信頼区間は1.47-2.62)」、
    2. 「層別分析の結果、家屋損傷と移住の交互作用が確認された(交互作用のp値は0.04)」、
    3. 「交互作用項を併せた多変量解析の結果、低社会関係資本、重度家屋損傷および移住を経験している個人は精神的苦痛の高いリスクに置かれており、調整オッズ比は5.78、95%信頼区間は3.48-9.60であった」等を報告されて、
  6. 結論として、
    1. 「災害後の状況において、低社会関係資本は-特に重度家屋損傷を経験した個人においては-精神的苦痛リスクを高める」、
    2. 「重度の災害ダメージを受けた被験者において、高社会関係資本はメンタルヘルスの保護にとって重要な役割を果たしている可能性がある」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Tsuchiya N, Nakaya N, Nakamura T, Narita A, Kogure M, Aida J, Tsuji I, Hozawa A, Tomita H.

THESIS URL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27743428