2016年9月8日木曜日

学術論文の紹介 #低線量被曝

THESIS TITLE

『Gamma radiation at a human relevant low dose rate is genotoxic in mice.』

BRIEF

  1. 本論文は「人間に対する低線量ガンマ線被曝でのマウスにおける遺伝毒性」に関する論文です。
  2. 著者らは「広島から70年が経過しチェルノブイリや福島第一原子力発電所の様な事故を経験した今日でさえも、低線量被曝の健康への影響に関して多くは知られていない」と背景を説明され、
  3. 「職務上や事故による被爆後のそれら人間における関連性にかかわらず、動物に対する慢性的低線量被曝の遺伝毒性に関する先行研究は少ない」、「セレンは酸化ストレス防御、活性酸素種からのDNAやその他の生体分子の保護に関与している」、「世界の幾つかの地域で発生するセレン欠乏は電離放射線のような活性酸素種誘導ストレス因子の悪影響を悪化させると仮説」されて、
  4. 「新たに設立された低線量被曝施設FigaroでDNA修復遺伝子ノックアウトマウスとコントロール群に対するセレン欠乏と低線量ガンマ線被曝の複合影響を調査」されています。
  5. その結果、
    1. 「45日間に渡る継続的な照射(1.4 mGy/h)後、遺伝毒性効果が確認された」、
    2. 「染色体損傷、表現型突然変異そしてDNA損傷の3種の遺伝毒性作用全てが照射した動物の血液細胞中で有意に増加」等を報告され、
  6. 「今回の研究は人間にとって現実的な被曝シナリオにおける慢性的低線量被曝での遺伝毒性を示唆し、低線量ガンマ線被曝でさえも癌を誘引する可能性があるという仮説を支持している」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Graupner A, Eide DM, Instanes C, Andersen JM, Brede DA, Dertinger SD, Lind OC, Brandt-Kjelsen A, Bjerke H, Salbu B, Oughton D, Brunborg G, Olsen AK.

THESIS URL

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27596356