2016年9月21日水曜日

学術論文の紹介 #福島第一原子力発電所 #ヤマトシジミ

THESIS TITLE

『Fukushima’s lessons from the blue butterfly: A risk assessment of the human living environment in the post-Fukushima era.』

BRIEF

  1. 本論文は「ヤマトシジミから得た福島の教訓に基づく福島第一原子力発電所事故後の人間居住環境のリスク評価」に関する論文です。
  2. 著者は「福島第一原子力発電所事故の生態学的影響を評価するために行われたヤマトシジミに関する一連の研究は、次の3つの重要な教訓を残した」として、
  3. 「一つ目はヤマトシジミの様な絶滅の恐れがなく人間と共存し、研究室での実験に適している環境指標種の必要性」、「原子力事故前そして直後のその様な指標種のモニタリングにより初期被爆による急性的影響を捉えることができる可能性がある」、「継代的そして慢性的影響の評価には継続的な観察が求められる」、
  4. 「二つ目は放射線のみを取り出してその限定的影響に注視するのではなく、汚染地域の実際の健康状態そして汚染の影響の全体像を理解することの重要性」、「蝶の実験では全身の影響評価のために福島の植物の葉が蝶の幼虫に与えられ、特定の病気や生化学的マーカーに注視するよりも生存率と形態学的異常に注視した」、「電離放射線は環境外乱の唯一のソースではありえないを事が確認された」、「原子炉から放出された浮遊粒子状物質はその放射能にかかわらず等しく重要であると考えられる」、
  5. 「最後は、蝶での実験で単一種内や地域個体群内でさえも原子力への感受性には相当な変動があることである」、
  6. 「人間の高い汚染感受性はDNA修復酵素の機能レベル低下に起因するのみではなく、気道での浮遊粒子状物質への免疫反応にもよることがこれら結果に基づき推測される」等を報告されて、
  7. 「ヤマトシジミの研究から得られたそれら教訓は、福島第一原子力発電所事故後の時代の今後の原子力汚染事故研究、地域そして国際的なレベルでの原子力および環境政策の意思決定に利用されるべきである」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Otaki JM.

THESIS URL

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27640413