2016年9月20日火曜日

学術論文の紹介 #福島第一原子力発電所 #川内村

THESIS TITLE

『Psychological distress of residents in Kawauchi village, Fukushima Prefecture after the accident at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station: the Fukushima Health Management Survey.』

BRIEF

  1. 本論文は「福島第一原子力発電所事故後の福島県川内村の住民の精神的苦痛」に関する論文です。
  2. 著者らは「福島第一原子力発電所事故後の避難者のメンタルヘルスを明確にするため、福島第一原子力発電所から30キロメートル内に位置する福島県川内村の住民の福島県民健康管理調査の結果を分析」されています。
  3. 「福島県民健康管理調査のフレームワーク内でのクロスセクション分析」、「曝露量は食欲不振、健康に関する主観的感覚、睡眠満足度そして災害に起因する近親者との死別、交絡因子は年齢、性別、そして結果因子はK6スコア」、「福島県民健康管理調査からデータを収集し、ケスラー6(K6)と心的外傷後ストレス障害チェックリスト(PCL-S)を採用」、「K6スケールでは13点以上を重度精神疾患のカットオフとする」、「被験者は川内村の30歳以上の住民542人とし、2012年1月1日から2012年10月31日のデータを利用」され、
  4. その結果、
    1. 「87.5%に相当する474人がK6スケール13点未満、12.6%に相当する68人が13点以上」、
    2. 「カットオフ以上のスコアを示した被験者のうち65歳以上の割合(44.1%)は、カットオフ未満であった被験者のうちの同割合(31.0%)よりも高かった(p値は<0.05)」、
    3. 「加えてカットオフ以上のK6スコアを示した被験者のうち食欲不振と精神疾患の割合は、カットオフ未満であった被験者のうちの同割合よりも高かった(それぞれp値<0.001とp値<0.05)」、
    4. 「K6スコアがカットオフ以上の被験者のうちPCL-Sが44点以上の人々の割合(79.4%)もまたK6スコアがカットオフ未満の被験者の間の同割合(12.9%)よりも相当量高かった(p値<0.001)」等を報告されて、
  5. 結論として、
    1. 「福島第一原子力発電所事故の結果として成人の間に鬱や心的外傷後ストレス障害の様な深刻なメンタルヘルスの問題があることを得られた結果は示唆している」、
    2. 「災害前に避難地域で暮らしていた住民は高い心理的苦痛リスクを抱えていることを得られた知見は示唆している」、
    3. 「地元住民の災害からの回復を促進するために、身体的および精神的サポートそして同様に放射線の健康リスクに関するコミュニケーションの継続的提供が必要である」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Yoshida K, Shinkawa T, Urata H, Nakashima K, Orita M, Yasui K, Kumagai A, Ohtsuru A, Yabe H, Maeda M, Hayashida N, Kudo T, Yamashita S, Takamura N.

THESIS URL

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27635326