2016年9月1日木曜日

学術論文の紹介 #遺伝子組み換え食品

THESIS TITLE

『Japanese Consumer Perceptions of Genetically Modified Food: Findings From an International Comparative Study.』

BRIEF

  1. 本論文は「国際比較研究から得られた知見としての遺伝子組み換え食品に対する日本の消費者の認識」に関する論文です。
  2. 著者らは、
    1. 「2001年の牛海綿状脳症に感染した牛や福島第一原子力発電所の様な食品に関連する出来事の報告は、実際には何らの健康への悪影響が発生していなくとも日本の消費者に大きな不安を与え、複数の農業従事者の自殺の原因となった」、
    2. 「食の安全に対する不安を背景として遺伝子組み換え食品の可能性が高まっている」、
    3. 「消費者はリスク判断のための情報を必要とし、確かな情報に基づいて購買を決定する」、
    4. 「しかしながら遺伝子組み換え食品に対する日本の消費者の認識について、明確な情報が不足している」と背景を説明されて、
  3. 「リスクコミュニケーションのための遺伝子組み換え食品に対する日本の消費者の認識」を調査されています。
  4. 「遺伝子組み換え食品に対する消費者認識について4カ国の比較」、「日本、米国、イギリスおよびフランスでのWebベース調査」、「人口動態、健康被害に対する恐れ、遺伝子組み換え食品と品種改良食品に対する抵抗、遺伝子組み換え技術と食品に対する認識そして購入意欲について質問」、「多変量線形回帰分析、二値変数のt検定そして一元配置分散分析とポストホックテストを実施」され、
  5. その結果、
    1. 「1812人の参加同意者の内、94%に当たる1705人(日本から457人、フランス、米国および英国からそれぞれ416人)が質問に回答」、
    2. 「男女比および年齢層比は全て同一」、
    3. 「すべての国で遺伝子組み換え食品に対する何らかの抵抗が見られた」、
    4. 「フランスが最も抵抗が強く次いで日本が米国および英国よりも強い抵抗を示した」、
    5. 「一般的に60歳以上で高等教育を受けていない女性は遺伝子組み換え食品に対して強い抵抗を示した」、
    6. 「日本はその他の国よりも食品危害への強い恐れを示し(オッズ比は2.408、95%信頼区間は1.614-3.594)、日本とフランスの回答者は遺伝子組み換え食品による危害への最も強い恐れを示した」、
    7. 「遺伝子組み換え技術と食品の認識については、日本を除いた各国の消費者は適切な説明がなされその安全性を支持する科学的データが示されそして全ての食品は何らかのリスクを抱えていることを理解している場合、遺伝子組み換え食品を容認」、
    8. 「しかしながら日本の消費者は遺伝子組み換え技術は受け入れるが食品へのその応用は拒否する傾向にあった」
    9. 「遺伝子組み換え食品を購入する意志がある者のうち、他国が20%の割引を求めるなか日本では30%の割引を求めた」
    10. 「今回の全ての被験者(消費者)は遺伝子組み換え食品に対する抵抗を示した」、
    11. 「健康危害は確認されていないが、日本とフランスの回答者は遺伝子組み換え食品を健康リスクとして強く認識していた」等を報告されて、
  6. 「日本の消費者においては30%の価格割引と遺伝子組み換え技術が、遺伝子組み換え食品について議論を始めるための手掛かり情報となる可能性がある」、「一般にリスクコミュニケーションのみの教育は効果的でないが、日本においてはその様なアプローチは消費者の遺伝子組み換え技術そして最終的には遺伝子組み換え食品へのより良い理解の一助となる可能性がある」とし、
  7. 「遺伝子組み換え技術の容認と食品へのその応用の拒否の間の溝はさらなる調査が必要である」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Komoto K, Okamoto S, Hamada M, Obana N, Samori M, Imamura T.

THESIS URL

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27573588