2016年8月26日金曜日

学術論文の紹介 #四川大地震 #心的外傷後ストレス障害

THESIS TITLE

『Long-term psychological consequences among adolescent survivors of the Wenchuan earthquake in China: A cross-sectional survey six years after the disaster.』

BRIEF

  1. 本論文は「中国での四川大地震から6年を経ての青年生存者の間の長期的な心理的転帰のクロスセクション分析」に関する論文です。
  2. 著者らは「青年生存者のメンタルヘルスに関する殆どの疫学研究は災害後2年内に行われている」、「長期的な心理的転帰は未だ明確ではない」と背景を説明されて、
  3. 「四川大地震から6年後に、四川省に住まう中学生の心理的症状を調査」されています。
  4. 「5カ年メンタルヘルス・心理的サポートプロジェクト(the five-year mental health and psychosocial support project)の一部として四川大地震から6年後に行われた生存者の最終調査データに対する二次データ分析」、「計2641人の被験者を地震時のトラウマ的経験への暴露のレベルに応じて(0、1および2以上)3つにグループ分け」、「年齢、性別、民族、兄弟姉妹の有無、両親の離婚そして社会経済的状況等の共変量で調整後、3つのグループの症状チェックリストSCL-90の平均スコアを共分散分析により比較」、「ロジスティック回帰分析によりトラウマ的経験と災害後の自殺傾向との関係を分析」されたその結果、
  5. 「2種以上のトラウマ的経験はトラウマ的経験無しと比較すると高いSCL-90による心理的症状スコア、自殺念慮(オッズ比1.98、95パーセント信頼区間は1.35-2.89)および自殺未遂(オッズ比は3.32、95パーセント信頼区間は1.65-6.68)との関連が確認された」、「便宜的抽出であるため今回のクロスセクション分析から因果関係は推定できず、結果は一般化出来ない可能性がある」、「地震により重大な精神的苦痛を受けた青年生存者は災害から6年を経ても心理的症状に苦しんでいる恐れがある」等を報告されて、
  6. 「それら個々人に対する長期的な心理的サポートが必要である」と結ばれています。

AUTHOR(S)

Tanaka E, Tsutsumi A, Kawakami N, Kameoka S, Kato H, You Y.

THESIS URL

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27544312