2017年10月18日水曜日

米国財務省為替報告書 2017年10月公表分の直訳

米国財務省為替報告書 2017年10月公表分の直訳

  1. 米国財務省為替報告書本文へのリンク:
  2. ドナルド・トランプ氏大統領就任後、2度目の米国財務省為替報告書。
  3. 文中、※はアセット・マネジメント・コンサルティング株式会社による注釈。
  4. 日本に関するパートのみ。
  5. 前回までの米国財務省為替報告書の直訳(アセット・マネジメント・コンサルティング会社による)
  6. 財務省(日本)の外国為替平衡操作(為替介入)推移
  7. 黒田総裁就任以降の日本銀行金融政策の変遷

エグゼクティブサマリーから日本に関するパート

  • “2015 Act”(※Trade Facilitation and Trade Enforcement Act of 2015のこと)に準じた上で、2017年6月までの4四半期において3つのクライテリア(※1)米国との著しい二国間貿易黒字。少なくとも200億ドル(サービス収支除く)、2)少なくともGDPの3パーセントに相当する重大な経常黒字、3)持続的な一方向の為替介入。頻繁な外貨買入(ネットベース。外貨買い自国通貨売り)および過去12ヶ月間の合計でGDPの少なくとも2パーセント相当)を全て満たしている主要貿易パートナーは無いことを米国財務省は今回の米国財務省為替報告書(※以降”報告書”)で確認した。
  • 今回の報告書において監視リストは中国、日本、韓国、ドイツ及びスイスからなる。(※Good bye 台湾、また会う日まで)
  • 日本は2017年6月までの4四半期を通して690億ドルの財貨貿易黒字と、2番目に大きな対米国二国間財貨貿易黒字を維持している。
  • 2017年6月までの4四半期を通じた日本の経常黒字はGDPの3.7%を記録し、2010年以降の最高レベルに達している。
  • 日本はおよそ6年間為替市場に介入していない(※最後の介入は2011年11月4日(民主党政権時)の3062億円の米ドル買い日本円売り。なお2006年12月28日以降の為替介入額合計は16兆4219億円で全て民主党政権時に介入)。
  • 大規模で自由な為替市場を米国財務省は期待しており、為替介入は適切な事前協議の下、極めて例外的な状況の場合のみとするべきである。
  • 持続的な内需拡大を支え、長期的成長のためのより持続可能な方法を創出し、日本の貿易不均衡を減らすための重要な構造改革を成し遂げるために、緩和的金融政策と柔軟な財政政策に支えられた潜在的経済成長を上回る現在の機会を日本は活用すべきである。

セクション1:世界経済と外部動向

主要貿易パートナーの経済動向から日本に関するパート

  • 日本の経常黒字は上昇を続けているが、2017年上半期は安定しており900億ドル(GDPの3.7%)であった。
  • 2016年7月から2017年6月の経常黒字はGDPの3.7%、前年同期の3.4%から上昇している。
  • サービス貿易赤字の減少が寄与する中、2017年上半期の全体の黒字の85%超を占めている大きなネット海外所得に主導されて高い経常黒字が継続している。
  • 長年に渡る継続的な黒字は相当量のネット対外債権を生み出している:日本のネット海外投資は2016年においてGDPの61%に達しており、G7各国中最高であり、そしてIMFが中期的にそれは85%まで増加すると予測していることは今後数年間におけるかなりの海外所得流入を示唆している。
  • 2016年、原油安がある程度寄与して2011年の地震以来初めて日本の財貨貿易収支は赤字(※輸入超)から黒字(※輸出超)に転換し、2016年と比較すると若干縮小しているが2017年上半期も黒字を維持している。
  • 日本の季節調整貿易収支(財貨とサービス共に含む、円建て)も2017年上半期に若干減少したが、黒字である。
  • 1月から4月にかけて輸出数量は大幅に-2016年上半期の前年同期比マイナス2.3%と比較して2017年上半期のプラス5%と大きく-増加したが、強い内需を背景とした輸入増は貿易黒字縮小要因である。
  • 日本の対米国との財貨貿易黒字は2017年上半期が340億ドルと2016年上半期と変わりはない。
  • 対米国とのサービス貿易は赤字(※輸入超)であり、全体の貿易黒字(財貨とサービス、季節調整値)は2017年上半期で280億ドルと前年と同じである。
  • 米国財務省は米国と日本との間の大きな二国間貿易不均衡の持続を懸念している。
  • 日本円と米ドルの為替レートが激しく変動した1年間の後、2017年は安定しているがドル安に反して緩やかな円高である。
  • 9月末の時点で日本円はドルに対して3.7%円高に振れていたが、しかし8月迄は実質実効為替レートで0.2%円安であった。
  • 強い国内経済指標と地政学的緊張の高まりによる避難先としての流入に主導された円高である。
  • 日本はおよそ6年間為替市場に介入していない。
  • 日本のポリシーミックスは緩和的金融政策と財政刺激政策(※報告書中、”supportive fiscal policy”)からなる。
  • 日本銀行は2016年に新たな枠組みを採用し、マネタリーベース拡大からイールドカーブコントロールへと、あるいは短期金利と10年もの日本国債利回りを目標にする政策遂行へと移行した。
  • 日本銀行はインフレ期待をより支持するためのオーバーシュート型コミットメントも決定した。
  • 利回り上方圧力上昇に伴い、10年もの国債利回りを0%近辺に維持するために日本銀行は特定の残存期間内の日本国債を無制限購入する固定利回り方式を3度採用した(※2016年11月17日、2017年2月3日および2017年7月7日)。
  • 日本政府は利用可能な財政政策を積極的に採用しており、安倍首相の2016年の財政刺激パッケージが最近の例である。
  • パッケージの新たな財政支出分はGDPの1.3%の相当し、2013年1月以来の最大である。
  • 安倍首相の景気刺激策が最終的に経済に影響を与えたことを受けて、第2四半期のGDPはおよそ年率3%の公的固定資本形成増加を示し前回の消費税増税以前の2014年第2四半期以来の最大増加となった。
  • 外需の縮小、予定されている財政支援終了そして消費の伸びの鈍化に起因して2018年の成長は減速するとIMFは予測している。
  • 中期的な日本当局の課題は包括的成長へのマイナス影響を最小化する方法での必要な財政安定化遂行である。